アルスノバで3足目のオーダー

3月の晴れた日にアルスノバへ。

前日に電話で、店が開いているかと、1足目と2足目を見て頂く事をお話してある。
3足目は短靴の予定だが、1番フィットしているのは2足目のブーツなので、ブーツを履いて、1足目のロングウイングを持参。

到着すると先客がいらしたが、もうすぐ終わるとの事で革を眺める事に。

目的は短靴、できればロングウイング以外、カンガルー革、黒以外の色。
それ以外はノープランで来たので、どれがカンガルー革か確認しつつ選ぶ。

…ネイビーの革がなくなっている。そのうち作りたいと思っていたが残念。
ここの革は殆どが今は亡きタンナーから仕入れたそうだ。
明るいブラウンがあればと思ったが、カンガルーにはそれもない。うーん…。

そんな中、目に留まったのはこの革。
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きれいな薔薇色。
でもとても薄いから、支えが欲しい私の足にはちょっとな…。

これ何の革ですか?と聞くと、キットです。とご主人。
キット…?キッドか!
どうやら、ここにある革は殆どがカンガルー、キッド、ペッカリーのようだ。
カーフは使わないんですか、と聞くと、カーフは硬くて理想の吊り込みができない。山羊なら3ヶ月以下の仔山羊じゃないと、ですって。
贅沢病か!
思わず突っ込む。…心の中で。

色はネイビーかブラウン系でざっくり考えていたが、この薄い山羊革…どうしても気になる。
いいなこれ。使いたいな。
とてもしなやかで柔らかくて…小さい。

耐久性についてはカンガルーとのコンビにすれば耐えられるだろうと、カンガルーとのコンビで使用する事に決定。
カンガルーの色は茶よりも色味の合うワインを選択。
…またワインか。
そう、ブーツと同じ革である。
いいやもう。
私は元々、服でもなんでも、こういう紫っぽい色が好きなのだ。


デザインは散々迷った挙句、ショートウィングをチョイス。
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見本の黒革部分がカンガルーになる予定…
だったのだが、ご主人からまったがかかる。

曰く、
ショートですと見本の白革の部分がキットになりますよ(ご主人はキッドではなくキットと仰る)。せっかくのキットの面積が少なくなりますよ。
鳩目部分もキットに?いえ、ここは濃色でないと締まりませんよ。
ロングウイングの方が足が安定するので細いお足には合いますよ。
この革は小さく、今回取り終わったら捨てる事になるので(!)、折角ですからより面積の広いロングウイングにした方が…等々。

ええ…じゃあロングにしようかな。
でも黒もロングだしな…。
とグラグラしている所を、

きっと品のある良い靴になりますよ(にっこり)。
で、陥落…笑。

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またワイン、またロングウイングである。
(こうやって見本を見ているとやっぱりブラウンも素敵。)


サイズ感の相談は持参のロングウイングに履き替えて。
結果、長さは変更なし。
ボール部分-1.25mm、踵-5mmとそれぞれ、より狭くする事に。
これは数値上はブーツと同じになるが、プレーンのブーツとロングウイングでは感じ方が違う。
ロングウイング部分の革が二重であるのに加え、ステッチも多いので、ブーツより少し狭く感じると思われる。

小指が当たるのも、今の私にはワイズが若干広いからではないか、という見解で一致した。


ヒールは4cm等も考えたものの、4〜5cmの高さは古靴でもよく出るし、ご主人の強い推しに負け笑、結局以前と同じ3cmのスタックに。
でも4cmの方が、カーブがついて優雅なんだよな…。
積みならできるかな?今度聞いてみようか。
やっぱりできればピッチドヒールがいいけど、積むと中身プラの巻きスタックより重くなるだろうな…。
痛し痒しである。

会計を済ませ、紳士靴仕様の靴や、修理済の靴を見せて頂いて…ふと時計に目をやると、来店してから早2時間!

げっ。
やばい、帰らねば。
夫に叱られる。
1時間位で終わると思ってたのに。
で、そそくさと退散。

夕飯の時間には少々遅れたが、お土産のチョコバナナマフィンが効いたか?
特に問題なく、平穏な夕食を囲めたのだった。

そういえばツリーについて聞くのを忘れてしまった。
一足目の黒をお見せした時、特に何も言われなかったのでそこまで問題ない…のだろう、多分。

完成は1カ月後という事なので、じきに葉書が来ると思われる。
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「CHISCO」手入れ終了

「CHISCO」の手入れが終わった。
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手入れといっても、内側も綺麗なので特に洗う必要もなし。
内側の型番らしきモノ。銀色の型押し。
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調べても広告一枚出てこない謎メーカー。
この時代の物にしては結構革も厚いので、そんなに高級なモノじゃないのかもしれない。
謎のシミもチラホラ。全然落ちない。
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でも革の透明度は素晴らしい。
勿体無くて色付きクリームが塗れない。

靴の作りはそんなに詳しくないけれど、ウェルテッド式の伏せ縫い…でいいのかな?
極限まで狭めたコバ幅は約3mm。
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そんなに狭いところ縫わなくてもいいのに。
そこまで頑張らなくても良いのに。
と思わず思ってしまう。

磨きながら履いてみた。
左足側だけ仕上げた状態。
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きっつい!笑
あと1cmは長くないと無理!
ポインテッドトゥであることと、靴がしっかりし過ぎていて見た目よりずっと小さい。

でも幅と踵はいい感じ。
羽根の開き具合も理想的。
100年前で、2サイズ下げて、デッドストックでこれではね。
これ以上古くなるとさすがに買う気にもならない。
古靴でジャストは難しいと、悟らせてくれた靴である。

あと踝。すごく当たってる。
古い靴って踝のえぐりが少ないような…。これなんてほぼ直線…。
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でも綺麗だなあ。
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履けないけど、どうせ売れないし、かといってこれ捨てるとか無理無理。
そして靴が増えていく…。

1年経過:アルスノバのロングウイング

アルスノバのロングウイングが、履き下ろしから1年ちょっと経った。

履き下ろし前。
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現在。
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大分馴染んで、横に広がっている。
(この撮影は中に軽く詰め物をして行なっている。)
最近右の小指が当たりがちで、かなり紐を締めてギリギリ大丈夫といったところ。
元々右足側は体幹的に少し弱く、幅も左より少し細い。
この靴は後に出来上がったブーツより緩いので、靴の中で足がブレて小指が当たってしまうのが原因の一つのように思う。

履き下ろしてからの最低10回は、履く前にクリームで手入れするようご主人から言われていたのでその通りに。
その後は2回に1回、3回に1回…と少しずつ間隔を空けていき、今は1-2か月に1回位で手入れ。
登板回数は、初期は週2、今は週1位。

ちなみに、インソールのロゴは速攻消えた笑。
多分、こういうところにはお金をかけていないのだろう。


ツリーを入れていないからか?爪先が反り気味。

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アルスノバではギルコのツリーが買えるようだが、私の時は丁度品切れだった。
個人的にバネ式はなんだか怖い。ギルコもバネ式なので、ちょっと消極的…なんだけど、次行った時に相談してみようか。

爪先も目立たないながら傷がついている。
私の環境は靴にとって結構、過酷だ。
通勤電車は行きも帰りも混雑しているし、子供の保育園では靴を脱ぐ。玄関まで戻ってきたら横に転がってる事も多い。


ソールの減りはこれくらい。

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まだ大丈夫。
もっと磨り減ったら、更に狭い木型でオーバーホールしたい。
爪先の金属はいつの間にか取れてしまってそのまま。
(ご主人には、走ると取れるので走らないでください、と言われたが、子持ちには無理難題である。)

ヒール側。

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トップリフトは非常に減りにくい。1年間、一度も換えてない。
反面、グリップ力が物足りないのは仕方のないところ。
濡れたタイル面は怖くて歩けないので、雨どころか雨上がりにも履いていない。
硬質のコツコツしたいい音がする。

巻きスタックの色がいい感じ。
履き下ろし前はこの色。

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革と同じ黒を塗っているが、前よりずっと好き。



せっかく出したので磨いておいた。
次の1年も宜しく、という気持ちを込めて。
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世紀を超えた靴とebayの女神

今年最初に購入したビンテージシューズ。
いきなりソールから。

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半カラス!
実は半カラスは初めて。
半カラス大好き。
そしてこのロゴ……いい!可愛い!

箱なしとはいえ、このソールにこの紐のつき方。未使用品の証。

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内羽根のチョコレート色パンチドキャップトゥ。
小さな小さなパーフォレーション。
外鳩目。こんなに小さな面積に6つもくっついてる。
セラー曰く、1900s。
少なくともこのルックスで30sより新しいって事はないのではないかと。

ヒール高は約45mm。
ぱっと見紳士用に見えるが、ちゃんと婦人靴なのだ。

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お値段なんと

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今迄手を出した靴で、一番安かったのは10$だったが、この度めでたく更新。


実はこの子との出会いは2回目。
1度目は去年の夏頃だったか。
なんかいいのが出てきたなあと一応チェックはしていたものの、入札をすっかり忘れ、思い出した頃には後の祭り。
確か2、3の入札しか入らず、値段も30$程で落札されていた。

あーあ落札されちゃった。
まあそんなに欲しかった訳でもなし(本当に欲しかったらアラームと入札アプリを使っている)、また似たようなのが出るでしょう。
という軽い気持ちでいたら、何故か募るこの気持ち……。

あれ、おかしいな。
なぜ似たような形の靴ばかり、目で追ってしまうんだろう。

そもそもこのレベルのマイサイズが早々出る訳がないのである。
さっぱり別れた筈の昔の恋人を追い縋るが如く、後悔と懺悔の嵐。
あああ、やってしまった……。


傷心は忙しさが忘れさせてくれた。
そのうち家のローン契約やら引越しやらで忙しくなり、オークションサイトも見なくなり、この靴の事もすっかり忘れ……年始。

久々にebayを開いたらまさかの、この子がいたのです。
デッドストック表記、この色、この革、このサイズ。
何よりもこのロゴ。間違いない。

心震えるとはこの事。
説明文には試着のみの状態、と書いてあったので、サイズが合わず返品でもされたのだろうか。

サイズ感について念入りに訪ね、日本までの送料を聞き、自動入札ソフトの金額を決める。
念のため入札終了時間の少し前、早朝5時に目覚ましをかける。

…入札終了。結果は?

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私だけかーい!
拍子抜けだが、おかげで安く手に入った。わーい。


靴もいいがセラーも素晴らしかった。
このセラー、メールの時点で感じのいい方だとは思っていた。
質問への解答は素早く的確だったり、日本へ発送した事がないがこの送料でいいか?とわざわざ聞いてくれたり。
(こういうのは日本では当たり前だが、海外セラーは本当に適当で質問しても返ってこない事もしばしば。)

発送も順調で10日程で到着。
梱包もばっちり。
適当梱包はebayの名物だが、彼女は違った。
片足ずつ丁寧に、厳重に薄紙で包み、その上メッセージ付きの素敵なカードを添えてくれた。

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わざわざ封筒にカードを入れるという念の入れよう。
女神か。
私、9.99$しか払ってないのに。
ちょっと申し訳ない。

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足入れは保湿してから。

ただ、問題がいくつかある。
多分ちょっと小さい。
履けたとしても古過ぎて常用には向かない。
履くと削れてロゴが消えてしまい勿体ない。
それなのに後悔していない……。

ferragamo パンプスの履き下ろし

以前購入したフェラガモのパンプス。

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昨年秋に履き下ろしている。


足入れ前に手入れを一通り。
一応グリセリンも塗布したけれど、元の状態が良かったため吸いきれない所があった。
大事に保管してあったのだろう。
こういう時、名の知れたブランド靴は強いなと思う。
雑に扱われない。

ワックスまで終わって足を入れてみると…
緩い。長さはいいがやはり幅、特に踏まず〜踵が物足りない。
が、履けなくはない。
この靴はワイズAAAAAだが、JISでいうところのAAA位だろうか。
若干前滑りしている。踵はギリギリついてくる。
よく日本と海外では2ワイズほど差があるというが、この靴も大体その通りといえる。

インソールを入れてみた。
使用したのは「透明ジェル状インソール」の土踏まずタイプ。248円也。

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全面ジェルインソールは滑りが悪いので紐靴にはあまり向かないが、パンプスにはいい。
1日職場で試し履きしたらまあまあ。なんかヒールが引っかかるけど…と思っていたら。

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トップリフトが割れていた。
古いから劣化していたのだろう。試し履きしておいてよかった。
修理で特に問題なく直す事ができた。


普段、パンプスは履かない事にしている。
職場ではどんな靴でも問題はないし、そもそも私の足幅の細さでは、パンプスは難しい。
タルタルガの1番細い木型、AAAAA/AAAAのコンビラストでも踵が緩いし(そもそもあの木型でパンプスってあったかしら?)、幸いそこまでパンプスにこだわりはない。
ヒールが欲しい時はビンテージの紐靴を履けばいい。


そんな私でも、履きたいなと思う時はあるわけです。
例えば、娘の晴れ舞台。3歳の七五三。

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神社までは車移動に加え、本殿に上がる時は紐靴より楽に脱げる。
色味もスーツが紺だから丁度良かった。
慣れないパンプスを履いた足も、朝から出かけて、昼までもってくれた。

ソールは何も貼らなかったが、滑らず歩く事ができた。
ソールにラバーを貼るか否かは好き好きだと思うが、この美しい底面にラバーを貼るのは躊躇われ、そのまま使用。

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どうせ履けば削れるので気分の問題だけど。

神社は砂利道だし…と、つま先とヒールはパレードグロスでいつもより念入りに保護しておいたが、これが本当に功を奏した。
土に砂利が敷いてあるだけの駐車場で、荷物を取り出す時にいきなりガクン!
細いヒールが地面に全部埋まってしまった。
思わず変な声が出たが、慣れない着物の娘と義両親の前で自分の靴をあからさまに気にする訳にもいかず…
傷になっていないかヒヤヒヤしたが大丈夫。
ワックスを塗っておいて本当に良かった…。私グッジョブ。