真っ黒なプレーンパンプス(ケア編)

靴を洗おうかどうかは少し迷った。
別にものすごく汚い訳でもなし、硬化している訳でもなし、必要ないかとも思ったが
なんとなく気持ち悪いのでやっぱり洗う事に。


今回はエマールではなく、サドルソープを使ってみる。
特に理由はないが、まあ中もレザーだし。

スポンジで靴を濡らして、お風呂(ぬるま湯)にざぶーん。
セメント靴なので浸かる時間はちょっとだけ。

石鹸をスポンジで泡立てて、靴をあわあわ。
購入してから一度も手入れされていないのか、クリーム類はあまり落ちない。

きっちりすすいで、さっぱり。ふきふき。


中にキッチンペーパーと新聞紙を詰めて乾かす。
何度か入れ替える。
キッチンペーパーはトゥの先端用。紳士靴と違い、狭すぎて新聞紙だと入らない。

半乾きになったら、グリセリン保湿でパック。
※グリセリン保湿については、下記ブログを参考にさせていただいた。
 「保湿の技」
ラップパックは短時間でしっとりになる。

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パンプスは横に広がりやすい。
合うシューツリーがないので棒で軽く突っ張り、紐で縛っておく。


数時間置いたらパックを外して、中身を取り替えて自然乾燥。
翌日も中身を取り替えて乾燥。
翌翌日は中身を外して乾燥。


中敷のべたつきは落ちなかったな…消しゴムとかの方が落ちるかな?

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真っ黒なプレーンパンプス(詳細編)

さて、この靴。

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履けるかどうか、という意味で、サイズ以外で最も大きな購入理由。
踵上部の絞り込みが素晴らしかったから。

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後ろから見ると、ほぼ△。ドッグテイルが可愛らしい。ヒールは52mm。

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ボール部はそんなに細くない(底部75mm)が、とにかく薄い。
中敷から甲まで30mmしかない。
30mmは幅狭靴として有名なショショットの木型3、AAAに匹敵する。
しかも、ショショットより10mm程履き口が深い。


イタリア製。

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ブランドは……

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COACH。


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サイズ表記、6AA。
ソールの後足部カラス仕上げ。前足部は純正のラバー。セメンテッド。


お悔やみの席では雨が降るかもしれないし、
会食が座敷の場合はしょっちゅう脱ぎ履きするので
レザーソールの高価な靴はためらってしまう。
けれど、これくらいの靴ならガンガン履けそうである。
(履く機会は少ない方がいいけどね)
革はすごく良い…訳ではないが、かといって粗悪な訳でもない。
手入れをすればそれなりに応えてくれそうである。

中敷も黒で目的としては大変よろしい。

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コバ付近の汚れや中敷のべたつきが気になるので、今度洗ってしまおう。

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真っ黒なプレーンパンプス

パンプスは苦手だ。


世間一般的に、女性の正装時の靴はプレーンパンプスが間違いない、
という事になっているように思う。
ところが私は、ストラップやシャーリングゴムのない、プレーンなパンプスは
齢30を過ぎてネットオークションに出会うまで、1足とて買った事がない。
どんな靴も試着して1歩踏み出した時点で、脱げてしまうからだ。


幸いパンプスを履かなくとも済む生活スタイルだったので、なんとかやってこれた。
だけど、そうも言っていられない時もある。

その最たる例が、お悔やみの席。
若い頃出た仏事では、痛む足を文字通り引きずって出席した記憶がある。
ストラップが効かず、前滑りで足の甲にトップラインが刺さり
帰宅すると内出血で肌が青紫色に変色していた。
あまりにも痛かったので、もうそのような靴は履くまい、その時になったら
ローヒールでも紐靴でも良いから、適当な黒い靴で出ようと思っていた。
が、年月が経ち、歳も取り、立場も変わってしまった今。
そうも言っていられなくなった。


そこで、ebayで靴を買ってみた。
丁寧に薄紙で包まれ、DHLのプチプチ付きパッキングでやってきた。

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海外モノでは珍しい、真っ黒でシンプルなプレーンパンプス。

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欧米のお葬式では、靴に多少装飾がついていてもOKだからか
どうかなのかは分からないが
(サッチャー元首相の葬儀を見ていると、割と自由だなと思った)
黒い靴を探していても
ゴールドのビットが付いていたり、
ヒールの接続部がゴールドだったり、
エレガントなカットワークが施されていたり、
シルクやサテンでできていたり、
エキゾチックレザーやパテントとのコンビだったりで
真っ黒でスムース革のシンプルな靴は、なかなかないのである。

状態はまあまあ。大きなキズなし、クラックなし。
割と最近まで履かれていたようで、革がしなやか。硬化していない。
ので、大丈夫と判断し、履いてみた。

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ボール部が割と後ろで、指の長い私の足には良い感じ。
室内を一巡りして、前滑りなし、踵抜けなし。いけそうだと判断。


長くなるので、詳細はまた今度。

とある靴との出会い(仕上げ編)

乾燥しながら保湿。
ソールはこれでもかというくらい吸う。どんどんしみ込む。

足に対して若干靴が長いので調節する。
1mmのコルクを敷き、土踏まずと外アーチにパッドを仕込む。
踵の下もくるぶしが当たるので100均のインソールを切って入れる。
調整はやりだすとキリがない。
オリジナルではなく100均のフルインソールを敷いて一旦終了。


オリジナルの紐。

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先端はプラスチックのように見える。
紐自体かなり色あせているし、短過ぎるので替える事にする。

選んだのはワインレッドの3mm平紐。ゴールドセル。
(靴より紐の方が高価である)

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ヒールはラバー張りに出す。
(ラバーはさらに高価である)
飾り釘が見えなくなるのはちょっともったいないけど、5.5cmヒールでレザーは危険過ぎる。
紐にあわせて、ラバーはあえて赤。


できあがり。

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かなりきれいになった。見違えるようだ。
(届いた直後のひどい状態を撮っておけば良かった)
この靴の、この達成感のせいで古靴が好きになってしまったようなものである。

とはいえトリミングの布生地の色あせが気になるし、
コバも禿げている。塗ってやりたいが、
色に難儀しておりネットでの購入が難しくいまだに塗れていない。



後足部はマッケイだけど、
前足部のコバには出し縫い糸が見える。


セラーの言っていたヒールのひび。

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本スタック故の積み上げにより、革と革の隙間が白くなっているのでひびに見えたと思われる。
今のところ、使用に不安は感じない。


オリジナルの中敷は前足部がないタイプ。

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踵側の文字は、
Triple Tite HEEL ……要は踵が小さいって事かしら。矢印まで入れて、ものすごく主張している笑
REG.U.S.PAT.OFF. ……Registered with the United States Patent and Trademark Office の略、
らしいので、アメリカ製。どうやら特許を取っているようだ。


サイズ表記は手書きで6A。

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5? 8828 7? 型番はもう読めない。


さて、革は今でも分からない。
デリケートクリーム、オイル類、レプタイルクリーム……何を塗ってもそれなりにツヤツヤになる。

今度注文した靴を取りに行くので、そこの店の方なら分かるだろうか。

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とある靴との出会い(ケア編)

そして靴が届いた。

信じられないくらい汚い。そして……カビくさい。
黄色い泥なのか砂なのかよく分からないモノが、
隙間という隙間にこびりついてる。
長期保管品って書いてあったけど、
砂浜の中から掘り出したんじゃないのかと疑いたくなる。


恐る恐る中に足を入れる。
いい狭さだ。こんなに幅が狭い靴はなかなかない。
さすがに踵は緩いが、羽根の開きは余裕がある。
くるぶしが当たって痛い。でも調整すれば多分……これは、いける靴だ!

だけどあまりの汚さに、靴下は即洗濯行き。この靴、洗わないと無理。


しかし、アッパーの革が分からない。謎の艶を放っている。

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こんなに樹脂が薄いエナメルってあるんだろうか?
それともワニのグレージング?
もしこれらだったら洗えない。ひたすら絞った雑巾で拭うしかない。

合皮?
この手の込んだソールでアッパーが合皮なんて、あり得るんだろうか。


悩んだ末、アッパー以外を洗う事にする。
まだ革靴を洗った事がない。なのに、いきなりこんなイレギュラーメニューとは。

アッパーの汚れを拭き取った後、クリームで保護しておき、
水がかかったらタオルですぐ拭けるようにしておく。
靴の中を軽く湿らせてエマール水を入れる。内側は布張りだから、相性は悪くないはずだ。
歯ブラシで泡立てて洗う。
水はすぐに茶色になる。何度も替える。
濡れてはがれた中敷をめくると、黒い中足骨パッドがひっついている。

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そして中底にも黒い小さな……カビが。点々。臭いはおまえかー!
天日干しをしてもカビ臭さが消えない。アルコールでも消えない。
なんて靴だ。
1000円のくせにこんなに手間かけさせて……。

ええいハイターを持て! もはや意地である。
薄液を作り、中底めがけてスプレーする。
色々駄目だったらしょうがない。1000円だしいいやもう。


結果、なんとか収束。
中底も無事(少なくとも見た目は)。ハイターすごい。
それにしても、まさか靴にハイターを使う日が来るなんて。

ここまで何日もかけているので、家族にはまだ履けないの?って言われる。
自分でも馬鹿みたいだって思う。
有名ブランドでも、思い入れがあるって訳でもないのに。
それでも手入れをしていると、不思議と段々楽しくなってきて、靴に情が湧いてくる。

サイズ感以外に興味のなかった靴が、好きになり始めていた。

とある靴との出会い

靴の手入れに、はまるきっかけになった靴がある。

とはいえそれまで靴のケアを全然してなかったというと、そうでもなく。
シーズンの切り替わる春と秋、
なんとなく安いチューブタイプのクリームで、
なんとなくパッケージの裏を見ながら
なんとなくケアをしていたように思う。
(今思えば塗り過ぎだ)

私の足。
少々特殊な程、幅が細く、薄っぺらく、なかなか合う靴がない。
とはいえ靴を履かない訳にはいかず、
一旦ストップしていた靴探しをそろそろ再開しようと思い立ち
靴について色々調べているうちに、シューケアにも興味を持ち出して
とりあえずデリケートクリームと最低限のブラシなんかを買ってみた。
そんな頃に出会った靴。

ある日、なんかよさそうな靴ないかなーと
ヤフオクを彷徨っていたら見つけた、なんだか古くさい靴。

…最初はセラーが縦横比間違って写真を貼ったのかと思った。
それ位、他に比べて細かった。
サイズ6A。ボール幅約7cm。数値的にはいけそうだ。
茶色のクロコ柄、外羽根プレーントゥ。…見た目はあんまり好きじゃない。

中敷には、聞いた事のないブランド名。
KAILLERS HEATH SHOES?調べても全然出てこない。
セラーの説明文には、履いた途端壊れるかもしれません、だの
ヒールにひびがあります、だの、不穏な言葉が並ぶ。

ないな、と思ったが、最後の画像で気が変わった。
それはソールだった。
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※写真はケア後。履き下ろす前のもの。

…縫い糸が見える。
レザーソール。等間隔に打ち込まれた飾り釘。トップリフトにゴムがない。
案外いい靴かもしれない。
そしてメーカーの刻印がはっきり読める。あまりすり減っていない。
黄色い汚れが見えるけど、ソールだし、拭けば多分大丈夫。
踵の履き口は皺があったので、室内でのみ着用されていたのかも。

お値段は?…1000円。せんえん!しかも送料無料!
はい、お買い上げ。

だけど、安いのには勿論、それなりの理由がある訳で…。

ごきげんよう

ごきげんよう、はじめまして。
ハルといいます。30代の女です。
いわゆる幅狭甲薄といわれる足を拗らせた結果(?)、
革靴やシューケアに目覚め、
ビンテージ靴も好きになりました。
ブログを書くのは初めてですが、ゆるく続けていけ…るのかしら。
気まぐれで始めましたが、どうぞ宜しく。