シュムッツブラシによる災難

私には娘がいる。

今年3歳になる彼女は、なんでもやってみたいお年頃である。

私が靴磨きを始めると当然やりたがるので
娘の靴と、小さなブラシを持たせて好きなようにやらせている。大抵すぐに飽きる。

ある日の帰宅後、靴を脱がずに靴ベラで遊び始めたので
私は上着を脱いだり手を洗ったりしていたら
玄関から怪しい物音が…
ハッと目をやると、あろうことか
彼女は靴底用のシュムッツブラシ(と言うとかっこいいが、要するにタワシである)で、
今私が脱いだばかりの靴の、アッパーを、一生懸命ゴシゴシやっていたのである……。

ギャーーー!

すぐに止めたが、キレイにしてあげたのよ!とドヤ顔の彼女を叱ることなどできる訳もなく
(手の届くところに置いていたこちらが悪い)
これは靴底用なので、靴の上の方はこっち
(埃取り用の馬毛ブラシや起毛用スポンジブラシ)でやって欲しいなあ、と
努めて優しい声で伝えると
何故かスポンジブラシで靴底をゴシゴシ。逆逆!


玄関に置いてあるブラシ達。上から順に、
埃取り用の馬毛ブラシ(タピール)、黒起毛革用の馬毛ブラシ(ジュエル)、
靴底用シュムッツブラシ(タピール)、娘の靴用スポンジブラシ、1/2にカット済(ウォーリー)。



その後馬毛ブラシで靴底をキレイキレイしてくれたり、
自分の靴をキレイにしたら?と
娘の小さな靴と、娘用のスポンジブラシ
(娘の靴はピンクのヌバックのためブラシもピンクに染まっている)を持たせたら即効飽きて
すでに帰宅していた夫の革靴に取り掛かろうとする直前で
あわてて馬毛ブラシに替えさせたり…

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ピンクヌバックの娘の靴。


ラチがあかないので
もうキレイになったよ、ありがとうと言ったら
満足したのか大人しく部屋に上がってくれた。

帰宅直後で疲れていたが、さらに疲れた。


もちろん、ブラシ類はすぐに全て片付け…ようとして、やめた。
片付けたのはシュムッツブラシだけにした。

興味を持つ事は悪い事じゃないはずだ。
玄関にあるのは埃やゴミ取り用のブラシだけだから、危険な訳でもない。
(塗布ブラシや靴クリーム、スプレー等は別の場所にしまってある)
服などが埃っぽくなるかもしれないが、
我が子は保育園児、毎日保育園に行ってる時点でそんなもの気にしてもしようがない。
触って欲しくない靴は脱いですぐに下駄箱に入れればいい。
すぐに下駄箱に入れる事はカビなどを考えるとあまりやりたくないが、
我が家の下駄箱は24時間除湿されている。
きっと除湿機様が頑張ってくれる。


それに、今見守ってやれば
将来若くしていつも靴がピカピカな素敵女子になるかもしれない……!
ならないかもしれないけど。

もうちょっと大きくなったら、ブラシの違いが分かってくれるだろうか……。


ちなみに、シュムッツブラシの刑に処されたのは
一番安い、雨用のラバーシューズ。
高い革靴じゃなくてよかった、本当によかった。
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クラシックなTストラップパンプス(ケア編)

フェラガモの続き。

洗うのはなし。
ちょっとカサついていたのもあって、いきなりグリセリンパック。

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クリームがついてると、ここで結構落とせる。
今回は(今回も)あまり塗られていないようで、コットンに色はついてこなかった。

さぼらず、2週間かけてフルコースで。
・グリセリンパック
・2日後…半乾きでデリケートクリームを布きれで塗布しながら拭き取り
・1週間後…乾いたらレーダーオイルを布きれで塗布しながら拭き取り
・2日後…残りのオイルの拭き取り、クレム1925塗布

デリケートクリームを塗っていると、もちもちしてきて嬉しくなる。
革から反応が返って来ると楽しい。


できた。
手入れ前。

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手入れ後。

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ちょっと禿げたり汚れてた踵側。

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きれいになった。

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(ピンが合ってない)

ハイシャインをしようとしたけれど、難しい上に随分時間がかかるのね。
いつもハイシャインをしている方は凄いな。

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タルタルガのプレケア

1時とか、2時とか、変な時間に目覚めてしまう時がある。
そんな時は、靴のケアをする。

1足目を磨き、2足目を磨き、
3足目は先日のタルタルガ。
履き下ろす前のプレケアをした。

デリケートクリームで保湿をして、
色無しのレザリアンゴールドを塗ってゴシゴシ拭いて
一応ソールにもソールモイスチャライザーを仕込んで
できあがり。

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新品の靴は簡単でいいね。

次は踏まず用パッドを買ってきてちょっと調整したい。

タルタルガのローヒール・パンプス

タルタルガ という靴屋がある。

数少ない幅狭靴をパターンオーダーで作れる店として有名で、
私も幅狭靴を探し始めた当時から知っていた。
だが、オーダーした事はなかった。
店のある大阪は遠い。
いいお値段なので、年に2度ある東京オーダー会にも行く事はなかった。

数年の時を経て、履けそうなブランドの靴は大体試した。残りはタルタルガ位になった。
今春の2016SS東京オーダー会は、満を持して、といった気持ちだった。
結果、初めてのオーダーになった。


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デザインNo.1377。木型T7。サイズ35。
T7はY83に次いで細い木型である。
私の足はほぼ23cmなので、タルタルガのサイズ表によると
ハーフサイズ落としている事になる。
Y83のギリーと迷ったが、紐靴は他にアテがあるのでT7に。


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エメラルドとネイビーのコンビ、共にイタリア製のカーフ革。
特にネイビーはオーナーがわざわざ別注をかけたもの。
オーダー会のサンプル靴で確認したところ、
靴クリームの類は塗っていないとの事だったが、キラキラ輝いていた。

本来この靴はメッシュやチュール地とコンビにして、サンダルのように
履く事を前提としてデザインされたものだと思う。
ライニングもアンラインド仕様である。
ボール部がメッシュというのは外反母趾の足には不安だったのに加え
エメラルドの革も気に入ってしまったのでこうなった。


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履いてみると甲が深い事が分かる。


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非常に前衛的で、思っていた以上にカモノハシ笑 に仕上がってきたが
うまくお付き合いしたい。


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ヒールや縫い糸の色も細かく指定できる。
ヒールは汚れからの手入れのしやすさを考慮してネイビーに。
(でもゴールドも素敵だったなと少し後悔)
糸は黄身がかった白。


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底から見ると丸いヒールの形がよく分かる。
セメンテッド式のレザーソールはタルタルガを象徴する深紅。


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オーナーは赤がお好きだそうで、箱を空けた時からもう赤い。
白い箱とのコントラストが眩しい。


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手書きの手紙と、靴と同じ革が使われた金属の靴べらと、保存袋付。


オーナーとは色々話をした。
私の履いて行ったKAILLERSの話、
姿勢や歩き方の話、
幅の狭い足の人は全体の2割で、幅が狭いと自覚している人は1割しかいない話、
中国がいい革を買い占めてしまって欧米人が怒っている話……。

靴職人、もしくはいい靴を売ってるという誇りがある方はひと癖ふた癖ある方が多いのだが
こちらのオーナー(ご自身で木型も削る事ができる)は
冗談がお好きで、陽気な方だった。
本当は、私の壊滅的に細い足には若干緩いのだが
お話が楽しくて、ついオーダーしてしまった。


ちなみに、中敷のロゴはめくらないと出てこない。
何か深い理由がある気がして、どうしてこういう仕様なのか伺ったら
オーナーは笑ってこう言った。
「僕の、奥ゆかしさや!」

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クラシックなTストラップパンプス

ebayで靴を買った。




靴のメーカーとは違うものの、丁寧に靴箱に入れられて、

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現地のチラシに包まれていた。
こういうの、わくわくする。

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Tストラップ、ブローギング、メダリオンと
ひたすらクラシック。

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もうこういうの大好き。
つい食指が動いて落札してしまった。

フェラガモ。6AAAA。

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金具まわりやソールは着用感がみられる。

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アッパーや踵はまだ大丈夫。

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さて、どう手入れしようか。
ライニングが一部破れているから、下手に洗うのはやめようかな。
ebayで中古靴を見ていると、しょっちゅうフェラガモがひっかかるが
さすがに6のAAAA、しかも安心安全のストラップ付は貴重である。
できれば失敗したくない。
(あちらの人は足が大きい。US8〜10位が一番多い気がする)


…フェラガモは婦人中古靴市場において
最も間違いのない、安定したブランドの一つだと思う。
とにかく数が多いし(偽物も多いようだが)、サイズもワイズも豊富。
木型も大きく変わらない。
そして、質にがっかりする事がない。

本当は製造年代が分かれば面白いのだが
婦人靴の場合、ちょっとネットで調べる位では殆ど分からない。
その年代に流行したデザインであれば、おおよその想像はつくけれど
例えばセラーが60sと言えば基本はそれを信じるしかない。
この年代は買収後だから…とか、このロゴは工場が移転後の…とか、色々考えなくていいのは
楽だけど、やっぱり分かった方が面白い。

そんな時、紳士靴が少し、羨ましい。

真っ黒なプレーンパンプス(仕上げ編)

洗いで落ちなかった、中敷のべたつき。

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消しゴムで落ちた。



奥に見える白っぽい箇所は上層が剥がれていてどうしようもないので
そのまま。


レーダーオイルを塗って5日程放置して拭き取った後、クレム1925黒をゴシゴシ。
中敷に薄くデリクリ、ヒールとコバとトゥの保護用にビーズワックスポリッシュを塗りこんで、できあがり。

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うーん、思ったより良くならなかったな、という印象。
クレム1925ならもっと光ってもいいはずなのに。

前回他の靴をやってみた時、
グリセリン保湿→デリクリ→オイル→乳化性クリーム で上手くいってたんだが
デリクリをさぼってみたせいかな…
オイル塗ってるし平気かと思ったんだけど。
小傷多いから塗れば良かったわ。


トゥはまあまあきれいになったが、

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ヒール側の皺は良くならなかった。

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巻きスタックに磨き込み用のクロスがひっかかってイライラ(笑

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今回使った道具たち。(サドルソープ撮り忘れた)

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磨き用クロスは元々掃除用で、どこのHPだったか靴磨き用として使われていて
試しに買ってみたらなかなか良い。
今までいくつか試してきたけれど、私の手ではグローブ型は大き過ぎる。
これは畳んで握り込んで使えるので、力を入れて磨きやすい。
毛足が長いので、ブローグ穴(この靴にはないが)に入ったクリームも取れる。


それにしても、サドルソープでもエマールでもあまり変わらない気が…。
香りはエマールの方が好きだし、サドルソープ使い終わったらエマール一本でいいかな。