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小さな白い靴屋の話

さて、前述の素晴らしい靴の話をしよう。
本当は、あんまり人に教えたくないので、記録に残すのにもためらいがあるのだが。
うちのお客さんはあまりブログとかやらないから…なんて言うものだから、なんだかそれが寂しそうに見えてしまったものだから、じゃあ私が書いてもいいですか?と言ってしまったのである。
言ってしまったものは書かないといけないのである。
長くなるので、数回に分けて書いていくことにする。


その靴屋の名前は「アルス ノバ NOGUCHI」。
DSC04707.jpg


このお店、幅狭靴を探し始めた当初から知ってはいた。
しかし、庶民には高価な靴である事、どれくらい幅狭の木型があるのかよく分からない事等の理由により行った事はなかった。

ブログ等のレビューによると、こちらの店では前足部と後足部で別の木型が選択できるとの事。
せめてボール位置が合えば履ける靴になるだろうか…と、私の足長、足囲、ボール位置が後ろ側である事を書き添えて、合いそうな木型があるか、メールを出した。
返ってきた答えは、「どんな細いお足の人でも作れなかったことはありません」だった。


アルスノバ外観
写真を撮り忘れたのでGoogleストリートビューから。

東京日本橋はB3出口から徒歩約2分。
銀行の真っ赤な看板のすぐ横に、小さな白い靴屋がある。
鈴付のガラス扉を開けると、ご主人の、茶靴の艶も眩しいスーツ姿の老紳士が、笑顔で出迎えてくれる。


6畳あるかという店内の壁には様々なデザインサンプルの靴。女性客が主なので、サンプルも全て婦人靴。時代に左右されないデザインが並ぶ。対面の壁は、フィッティング用と受け取り待ちの靴箱で埋まっている。狭いからか椅子は小さな折り畳み椅子が4脚あるだけ。

履いてきた靴や足の話をいくばくかした後、裸足+ストッキングになって計測。
ここではフィッティングは必ず薄手のストッキングで行う。
テーピングは取る。
計測自体は、紙の上に立ち鉛筆でなぞるというごく普通のもの。
足囲やふまず周囲も測るが接地のみ。
足が開帳している事、アキレス腱が発達している事を指摘された。
坂の多いところにお住まいですか?と言い当てられたのは驚いた。

次に睡眠時間とデザインの確認。
どういう靴がお好みですか?と聞かれて面食らう笑
事前情報からあまりデザインは選べないようだ、と思っていたし、HPを見てもどんなデザインがあるかが分かり辛いため、ええい行ってから決めようという事できちんと決めて来なかったのだ。
葬式にも履いていけるようになるべく地味にするか(この時はまだこのパンプスはなかった)、割り切って好みのウイングチップなどで華やかにするか……
プレーンは?調整がし辛いので今回は駄目。
という訳でのせモカタイプを選択。


フィッティング。

まず後足部。
ワイズA以下はSとなり、S以下の場合はサイズを落としてフィッティングしていく。
どんどん靴が小さくなって指が詰まっていくが、指は今は関係ないので勘違いしないように注意する。
途中で、足を支える力の強いロングウイングの方が良さそうだとの事で、こちらにデザイン変更。
更に、男の靴のようになりますが…と前置きされた上で、タン側のトップラインを5mm引き伸ばす。


あるところで、この辺が宜しいかと、と勧められた。確かに、今までの靴よりずっとフィットしているけれど…

もう一つ落としてもいいですか?とお願いしてみる。
最初はあまりきつすぎないところをお勧めしている とやんわり断られる。
(この辺りから、お喋りだったご主人が無言になってくる。
 自分の親よりも年上の男性に、何か失礼な事をしてしまっただろうかと思うと恐ろしく、私はひたすら謝っていた気がする)

でも、やっぱりちょっと物足りない。あとちょっと。
でもこれ緩いですよ。と言ったら、落としたサイズを出してくれた。結果。
きた!
凄まじいフィット感。踵もふまずもがっちり。
最初からぴったりの靴を選ぶ人は珍しいと、驚かれる。
が、私は自分の足より狭い靴を履いた事がないから、そう言われてもどうも自信がない。


駄目元で我が侭を言ってみた。

これで良いと思いますが、もう一つ落としたものも履かせていただけますか?
出してくれた。笑顔だが無言。言葉一切なし。怖い。

……自分の足より狭い靴ってすぐに分かるのね。
履いた瞬間、イタタタタ無理無理ギブギブ!となる笑
この感覚、一生忘れまい。謝りながら靴をお返しする。

ご主人から、本来なら入らない筈の靴が入ってしまう事(開帳足がひどいからと思われる)、
普通なら1足目でロングウイングはあまり勧めず、普通の人なら3,4足目位のオーダーでやっと入る靴である事、本当にこれでいいかを念押しされ、後足部決定。


前足部。
フィッティング用の靴より数mm幅出しをお勧めされる。
ボール部はもっと攻めても全然大丈夫だが、小指の先が当たるのでお勧め通りに。
爪先は+1mmを勧められる。
緩くなるとタイツを履く事も考え+2mmをお願いすると、では1.5mmにしましょうとの事で+1.5mmで決まり。


革選び。
お楽しみの…と言いたいところだが、この時点で開始からすでに2時間。
途中、修理等でちょこちょこ来客があったものの、普通は初オーダーでも全部で100分程で済むそうで、もうクタクタ。
疲労で頭痛もしてきたので、じっくり選ぶ気力もなく、黒なら履かない事はないだろうと色は黒、革は外反母趾に強いカンガルー革を選択。革選びはおよそ3分笑。


最後に納期が3ヶ月程かかる事(正月を挟んだため少し長めだったと思われる)や、支払いをして終了。
支払いは現金でもカードでも払える。発注時点で前金を支払い、納品で残りを支払う。勿論発注時点で一括支払いでも大丈夫。


ご主人は、この足の細さは100人、いや1000人に1人…とか呟いておられた。
私は、1000人に1人って案外多いな…なんて考えながら、他にも色々話をした。
が、疲れていたので、この日は他に何を話したのだったか……。あとは、忘却の彼方である。
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