パンプスの王



前回の靴のブランド。

evins

知らないブランド名だったが気になったので、英語を読めない喋れない私が無謀にも調べてみた。
(もし間違ってたら教えてください)

ブランド名はEvins。

evins



このブランド、どういう靴を作っていたかというと。

映画史に残る、あまりにも有名なこのシーンで彼女の履いていたサンダルや、

evins
https://movies.yahoo.co.jp/movie/七年目の浮気/9995/photo/?page=7


女優からモナコ公妃となったこの方が、結婚の時に足元を密かに彩ったらしいパンプスや、

evins
http://www.elle.co.jp/wedding/celeb/celeb100_17_0125/17

evins
http://www.thehistorialist.com/2014/04/1956-david-evins-for-grace-kelly.html


ファーストレディの足元を支えた靴を作っていたのだった。

evins
http://the.honoluluadvertiser.com/article/2004/Oct/22/il/il01a.html/section?Category=RSS


創業者はDavid E. Evins。
またの名をKing of Pumps。

evins
https://books.google.co.jp/books?id=gv0_DQWfwGwC&pg=PA64&lpg=PA64&dq=evins+king+of+pumps&source=bl&ots=AUYyYg97_t&sig=cMBfZIJ_R0HiKHJjFfyUE7uDHho&hl=ja&sa=X&ved=0ahUKEwj8h-Gn_I7UAhWHVZQKHc1kBM4Q6AEIJzAA#v=onepage&q=evins%20king%20of%20pumps&f=false


経歴は、
1909年イギリス生まれ、1991年没。
1922年に家族とアメリカに移民、ヴォーグ紙のイラストレーターを経たのちに1947年にニューヨークで自分の靴工場を開く。
1948年コティ賞受賞。

50年代初期にフランスの工場を買収。
(購入した靴はセラーが40sとして売っていたが、made in Italy。
イタリア工場がいつからかが分からなかったが、少なくとも50s〜かなと。)

チャンキーヒールやブーツでも有名だったようで。

evins
https://andyp1966.wordpress.com/2014/01/23/the-designers-david-evins/


特徴は「6oz(約170g)の靴」と呼ばれたようにとても軽い事。
しかし価格はヘビー級。
当時175$だったそうで。
この「当時」がいつなのかはっきり分からないが、仮にグレースケリーが結婚した1957年とすると…今の約1,530$!

evins

ひいいい高いいいい。
どうやら女優やセレブ御用達ブランドだったらしく…。


ええと。
こんな、私のような庶民が履いていいのだろうか…。
本当はこれを履く時は、殿方の腕に手を添えてエスコートして頂くべきなんじゃなかろうか。
間違っても東京のラッシュアワーな通勤電車の吊革に必死こいて掴まるような女の足元には、相応しくない気がする。

気がするが、しょうがない。
こんなイイトコのお嬢様とは知らなかったのだ。
もう買ってしまったのだ。開き直ろう。
そもそもセレブなレディは中古の靴をわざわざ買わないだろうし。
この子にはエスコートは諦めていただく。
そして私と電車に乗っていただく。

しかしパンプスは基本買わないと宣言しておきながらKing of Pumpsとは、なんたる皮肉…。


長くなったので、手入れの話はまた次に。

オリーブのハイヒール



最近古靴の記事をあげていないが、こちらもちゃんと(?)購入している。

とはいえ昨年の靴代および靴の数を勘定したら(ブログにあげた以外にも買っている)、いくら靴が好きとはいえ自分で自分に引いた。

私は他に趣味と言えるような趣味もないし、
服は大分買わなくなったし、
仕事が終わっても寄り道したり飲みに行く時間もないのだから、靴くらいいいよね?
と、のほほん構えていたら、1軍の下駄箱からも2軍のクローゼットからも靴が溢れてしまい、引越で余ったメタルラックで即席靴棚を作る羽目に。

うーん。
ちょっとまずいなー。
というわけで、今年はひと月に1足以内、つまり年間12足までに収まる…と良いなあ。
目標にはしないでおく。


これは、春にebayにて購入した靴。
グレーブラウンのヌバックとオリーブ色エナメルのコンビ。
内羽根、7.5cmのハイヒール。

evins
evins
evins
evins

ステッチがキュート。


ネットで古い靴を買う時、マイルールが幾つかある。例えば、
・ヒールはなるべく5cm台まで、7cmを超えない。
・パンプスは基本的に買わない。
・内羽根より外羽根を選ぶ。
・エナメルには手を出さない。

…今回はマイルールを崩して購入している事になる。

エナメルは劣化しやすく、手入れで復活しづらいと思っているからなのだが、今回はイレギュラー。
落札価格 $7.16。
安っ!
最安値更新。この値段なら失敗しても全然いい。
さすがにデッドではなくユーズドだけど、ソールの状態も良好。
イタリア製だけど、サイズ表記はUSなので、アメリカで販売された靴。

evins

サイズは6.5のAAAA…とソールにはあるが、内側のスタンプはAAA。
適当笑。他の方のブログを見ていると、海外の靴はこういうの、結構多いようで。

試着してみたところ、調整次第でいけるかな?とりあえず長さは問題なさそう…という事で、手入れ決定。

靴紐が切れている。

evins

これは他を探さないといけないな、でもこのデザインで普通の黒とか茶はつけたくないな、長さも45cmしかないからオーダーになっちゃうかな…と思っていたら。

他の靴の修理に寄ったSuper8Shoesで、ビンテージのちょうどいいのがあった。

evins

実際はもうちょっと緑色。
カットした靴紐の残りだから、先端は現行だけど全然気にしない。
手入れが終わったら、付けてあげようと思う。

ワインのロングウイング

靴の完成を知らせるアルスノバからの葉書、大分前に届いていたがなかなか行けず。
ゴールデンウィークの頭にやっと取りに行けた。
3足目のオーダー。
ワインのカンガルーとキッドのコンビ。

DSC06751.jpg
DSC06769.jpg
DSC06759.jpg
DSC06761.jpg
DSC06757.jpg
DSC06762.jpg



色が明るくなると、パーフォレーションとステッチワークが映える。
(ちなみにこのワインのキッド、まだ残っていた。あと1,2足取れそうだ。)

基本的な仕様は同じだが、変えてもらったのはここ。
DSC06755.jpg
タッセルをはたき型に変えてもらった。
アルスノバでオーダーすると、基本は閉じたタッセルになる。
DSC04397.jpg
はたき型は取れやすいからという事だが、注文時にお願いすれば変更してもらえる。
靴紐も同じ革、同じ工房で製作しているからこそできる事。
追加料金もかからない。


前回挙げていた疑問点について聞いてきた。

●ヒールについて
…積みができるか、3cmのピッチドヒールは可能か?

積みもできるが、部材の都合上、積みにすると必然的にコバ周りも紳士靴仕様、つまり四角く張ったコバ+イミテーションステッチになる。
作りはマッケイで変わらず。
(写真を撮りたかったが、他の方のオーダー品しかなく断念。)
この仕様を婦人靴で行うと+1万。紳士靴は+2万。

また、ピッチドヒールはいい顔をされず。
今は良い革がなく、耐久性に不安があるようだ。
ヒールが小さいという事も無関係ではないだろう。
私の靴のヒール幅は45mmしかない。


●シューツリーについて
…なくても大丈夫か?

問題以前の問題。
こんなに細い靴に入るツリーはありません。ですって。
あらまあ。


履くとこんな感じ。
DSC06767.jpg
試着時、タンに寄る一筋の皺を見るや、ご主人は満足げ。
これができないと緩い靴なのだとか。

オーダー時、フィット感を求めるべく、履き口をもう少し足首側に寄せて、紳士靴のような見た目にしてもいいと伝えたところ、この辺でやめておいた方がいい、とのアドバイス。
あまり足首側に寄せると、足首に跡が付く事がある(実際ご主人は付いているらしい)。
女性は足首を露出させる機会が多いので、あまり寄せない方がいいようだ。
なるほどね。
なぜ婦人靴は紐靴でも履き口が浅いのだろうと思っていたが、ちゃあんと理由があるのだ。


サイズもワイズも左右同一。
でも、左より若干細い右足側は、やはりもう少し狭くてもいいかな。
左に比べ、すんなり入り過ぎる。
それでも、初回の黒より一回り細くなった。
DSC06764.jpg

現在室内で履きながらこの記事を書いているが、結構余裕。
今の所、どこも痛くない。
比較的早く馴染みそうである。

アルスノバで3足目のオーダー

3月の晴れた日にアルスノバへ。

前日に電話で、店が開いているかと、1足目と2足目を見て頂く事をお話してある。
3足目は短靴の予定だが、1番フィットしているのは2足目のブーツなので、ブーツを履いて、1足目のロングウイングを持参。

到着すると先客がいらしたが、もうすぐ終わるとの事で革を眺める事に。

目的は短靴、できればロングウイング以外、カンガルー革、黒以外の色。
それ以外はノープランで来たので、どれがカンガルー革か確認しつつ選ぶ。

…ネイビーの革がなくなっている。そのうち作りたいと思っていたが残念。
ここの革は殆どが今は亡きタンナーから仕入れたそうだ。
明るいブラウンがあればと思ったが、カンガルーにはそれもない。うーん…。

そんな中、目に留まったのはこの革。
IMG_0988.jpg

きれいな薔薇色。
でもとても薄いから、支えが欲しい私の足にはちょっとな…。

これ何の革ですか?と聞くと、キットです。とご主人。
キット…?キッドか!
どうやら、ここにある革は殆どがカンガルー、キッド、ペッカリーのようだ。
カーフは使わないんですか、と聞くと、カーフは硬くて理想の吊り込みができない。山羊なら3ヶ月以下の仔山羊じゃないと、ですって。
贅沢病か!
思わず突っ込む。…心の中で。

色はネイビーかブラウン系でざっくり考えていたが、この薄い山羊革…どうしても気になる。
いいなこれ。使いたいな。
とてもしなやかで柔らかくて…小さい。

耐久性についてはカンガルーとのコンビにすれば耐えられるだろうと、カンガルーとのコンビで使用する事に決定。
カンガルーの色は茶よりも色味の合うワインを選択。
…またワインか。
そう、ブーツと同じ革である。
いいやもう。
私は元々、服でもなんでも、こういう紫っぽい色が好きなのだ。


デザインは散々迷った挙句、ショートウィングをチョイス。
IMG_0989.jpg

見本の黒革部分がカンガルーになる予定…
だったのだが、ご主人からまったがかかる。

曰く、
ショートですと見本の白革の部分がキットになりますよ(ご主人はキッドではなくキットと仰る)。せっかくのキットの面積が少なくなりますよ。
鳩目部分もキットに?いえ、ここは濃色でないと締まりませんよ。
ロングウイングの方が足が安定するので細いお足には合いますよ。
この革は小さく、今回取り終わったら捨てる事になるので(!)、折角ですからより面積の広いロングウイングにした方が…等々。

ええ…じゃあロングにしようかな。
でも黒もロングだしな…。
とグラグラしている所を、

きっと品のある良い靴になりますよ(にっこり)。
で、陥落…笑。

IMG_0990.jpg
IMG_0991.jpg

またワイン、またロングウイングである。
(こうやって見本を見ているとやっぱりブラウンも素敵。)


サイズ感の相談は持参のロングウイングに履き替えて。
結果、長さは変更なし。
ボール部分-1.25mm、踵-5mmとそれぞれ、より狭くする事に。
これは数値上はブーツと同じになるが、プレーンのブーツとロングウイングでは感じ方が違う。
ロングウイング部分の革が二重であるのに加え、ステッチも多いので、ブーツより少し狭く感じると思われる。

小指が当たるのも、今の私にはワイズが若干広いからではないか、という見解で一致した。


ヒールは4cm等も考えたものの、4〜5cmの高さは古靴でもよく出るし、ご主人の強い推しに負け笑、結局以前と同じ3cmのスタックに。
でも4cmの方が、カーブがついて優雅なんだよな…。
積みならできるかな?今度聞いてみようか。
やっぱりできればピッチドヒールがいいけど、積むと中身プラの巻きスタックより重くなるだろうな…。
痛し痒しである。

会計を済ませ、紳士靴仕様の靴や、修理済の靴を見せて頂いて…ふと時計に目をやると、来店してから早2時間!

げっ。
やばい、帰らねば。
夫に叱られる。
1時間位で終わると思ってたのに。
で、そそくさと退散。

夕飯の時間には少々遅れたが、お土産のチョコバナナマフィンが効いたか?
特に問題なく、平穏な夕食を囲めたのだった。

そういえばツリーについて聞くのを忘れてしまった。
一足目の黒をお見せした時、特に何も言われなかったのでそこまで問題ない…のだろう、多分。

完成は1カ月後という事なので、じきに葉書が来ると思われる。

「CHISCO」手入れ終了

「CHISCO」の手入れが終わった。
DSC06158.jpg

手入れといっても、内側も綺麗なので特に洗う必要もなし。
内側の型番らしきモノ。銀色の型押し。
DSC06168.jpg


調べても広告一枚出てこない謎メーカー。
この時代の物にしては結構革も厚いので、そんなに高級なモノじゃないのかもしれない。
謎のシミもチラホラ。全然落ちない。
DSC06162.jpg

でも革の透明度は素晴らしい。
勿体無くて色付きクリームが塗れない。

靴の作りはそんなに詳しくないけれど、ウェルテッド式の伏せ縫い…でいいのかな?
極限まで狭めたコバ幅は約3mm。
DSC06166.jpg

そんなに狭いところ縫わなくてもいいのに。
そこまで頑張らなくても良いのに。
と思わず思ってしまう。

磨きながら履いてみた。
左足側だけ仕上げた状態。
DSC06156.jpg

きっつい!笑
あと1cmは長くないと無理!
ポインテッドトゥであることと、靴がしっかりし過ぎていて見た目よりずっと小さい。

でも幅と踵はいい感じ。
羽根の開き具合も理想的。
100年前で、2サイズ下げて、デッドストックでこれではね。
これ以上古くなるとさすがに買う気にもならない。
古靴でジャストは難しいと、悟らせてくれた靴である。

あと踝。すごく当たってる。
古い靴って踝のえぐりが少ないような…。これなんてほぼ直線…。
DSC06164.jpg

でも綺麗だなあ。
DSC06160.jpg

履けないけど、どうせ売れないし、かといってこれ捨てるとか無理無理。
そして靴が増えていく…。