1年経過:アルスノバのロングウイング

アルスノバのロングウイングが、履き下ろしから1年ちょっと経った。

履き下ろし前。
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現在。
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大分馴染んで、横に広がっている。
(この撮影は中に軽く詰め物をして行なっている。)
最近右の小指が当たりがちで、かなり紐を締めてギリギリ大丈夫といったところ。
元々右足側は体幹的に少し弱く、幅も左より少し細い。
この靴は後に出来上がったブーツより緩いので、靴の中で足がブレて小指が当たってしまうのが原因の一つのように思う。

履き下ろしてからの最低10回は、履く前にクリームで手入れするようご主人から言われていたのでその通りに。
その後は2回に1回、3回に1回…と少しずつ間隔を空けていき、今は1-2か月に1回位で手入れ。
登板回数は、初期は週2、今は週1位。

ちなみに、インソールのロゴは速攻消えた笑。
多分、こういうところにはお金をかけていないのだろう。


ツリーを入れていないからか?爪先が反り気味。

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アルスノバではギルコのツリーが買えるようだが、私の時は丁度品切れだった。
個人的にバネ式はなんだか怖い。ギルコもバネ式なので、ちょっと消極的…なんだけど、次行った時に相談してみようか。

爪先も目立たないながら傷がついている。
私の環境は靴にとって結構、過酷だ。
通勤電車は行きも帰りも混雑しているし、子供の保育園では靴を脱ぐ。玄関まで戻ってきたら横に転がってる事も多い。


ソールの減りはこれくらい。

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まだ大丈夫。
もっと磨り減ったら、更に狭い木型でオーバーホールしたい。
爪先の金属はいつの間にか取れてしまってそのまま。
(ご主人には、走ると取れるので走らないでください、と言われたが、子持ちには無理難題である。)

ヒール側。

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トップリフトは非常に減りにくい。1年間、一度も換えてない。
反面、グリップ力が物足りないのは仕方のないところ。
濡れたタイル面は怖くて歩けないので、雨どころか雨上がりにも履いていない。
硬質のコツコツしたいい音がする。

巻きスタックの色がいい感じ。
履き下ろし前はこの色。

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革と同じ黒を塗っているが、前よりずっと好き。



せっかく出したので磨いておいた。
次の1年も宜しく、という気持ちを込めて。
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世紀を超えた靴とebayの女神

今年最初に購入したビンテージシューズ。
いきなりソールから。

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半カラス!
実は半カラスは初めて。
半カラス大好き。
そしてこのロゴ……いい!可愛い!

箱なしとはいえ、このソールにこの紐のつき方。未使用品の証。

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内羽根のチョコレート色パンチドキャップトゥ。
小さな小さなパーフォレーション。
外鳩目。こんなに小さな面積に6つもくっついてる。
セラー曰く、1900s。
少なくともこのルックスで30sより新しいって事はないのではないかと。

ヒール高は約45mm。
ぱっと見紳士用に見えるが、ちゃんと婦人靴なのだ。

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お値段なんと

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今迄手を出した靴で、一番安かったのは10$だったが、この度めでたく更新。


実はこの子との出会いは2回目。
1度目は去年の夏頃だったか。
なんかいいのが出てきたなあと一応チェックはしていたものの、入札をすっかり忘れ、思い出した頃には後の祭り。
確か2、3の入札しか入らず、値段も30$程で落札されていた。

あーあ落札されちゃった。
まあそんなに欲しかった訳でもなし(本当に欲しかったらアラームと入札アプリを使っている)、また似たようなのが出るでしょう。
という軽い気持ちでいたら、何故か募るこの気持ち……。

あれ、おかしいな。
なぜ似たような形の靴ばかり、目で追ってしまうんだろう。

そもそもこのレベルのマイサイズが早々出る訳がないのである。
さっぱり別れた筈の昔の恋人を追い縋るが如く、後悔と懺悔の嵐。
あああ、やってしまった……。


傷心は忙しさが忘れさせてくれた。
そのうち家のローン契約やら引越しやらで忙しくなり、オークションサイトも見なくなり、この靴の事もすっかり忘れ……年始。

久々にebayを開いたらまさかの、この子がいたのです。
デッドストック表記、この色、この革、このサイズ。
何よりもこのロゴ。間違いない。

心震えるとはこの事。
説明文には試着のみの状態、と書いてあったので、サイズが合わず返品でもされたのだろうか。

サイズ感について念入りに訪ね、日本までの送料を聞き、自動入札ソフトの金額を決める。
念のため入札終了時間の少し前、早朝5時に目覚ましをかける。

…入札終了。結果は?

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私だけかーい!
拍子抜けだが、おかげで安く手に入った。わーい。


靴もいいがセラーも素晴らしかった。
このセラー、メールの時点で感じのいい方だとは思っていた。
質問への解答は素早く的確だったり、日本へ発送した事がないがこの送料でいいか?とわざわざ聞いてくれたり。
(こういうのは日本では当たり前だが、海外セラーは本当に適当で質問しても返ってこない事もしばしば。)

発送も順調で10日程で到着。
梱包もばっちり。
適当梱包はebayの名物だが、彼女は違った。
片足ずつ丁寧に、厳重に薄紙で包み、その上メッセージ付きの素敵なカードを添えてくれた。

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わざわざ封筒にカードを入れるという念の入れよう。
女神か。
私、9.99$しか払ってないのに。
ちょっと申し訳ない。

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足入れは保湿してから。

ただ、問題がいくつかある。
多分ちょっと小さい。
履けたとしても古過ぎて常用には向かない。
履くと削れてロゴが消えてしまい勿体ない。
それなのに後悔していない……。

ferragamo パンプスの履き下ろし

以前購入したフェラガモのパンプス。

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昨年秋に履き下ろしている。


足入れ前に手入れを一通り。
一応グリセリンも塗布したけれど、元の状態が良かったため吸いきれない所があった。
大事に保管してあったのだろう。
こういう時、名の知れたブランド靴は強いなと思う。
雑に扱われない。

ワックスまで終わって足を入れてみると…
緩い。長さはいいがやはり幅、特に踏まず〜踵が物足りない。
が、履けなくはない。
この靴はワイズAAAAAだが、JISでいうところのAAA位だろうか。
若干前滑りしている。踵はギリギリついてくる。
よく日本と海外では2ワイズほど差があるというが、この靴も大体その通りといえる。

インソールを入れてみた。
使用したのは「透明ジェル状インソール」の土踏まずタイプ。248円也。

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全面ジェルインソールは滑りが悪いので紐靴にはあまり向かないが、パンプスにはいい。
1日職場で試し履きしたらまあまあ。なんかヒールが引っかかるけど…と思っていたら。

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トップリフトが割れていた。
古いから劣化していたのだろう。試し履きしておいてよかった。
修理で特に問題なく直す事ができた。


普段、パンプスは履かない事にしている。
職場ではどんな靴でも問題はないし、そもそも私の足幅の細さでは、パンプスは難しい。
タルタルガの1番細い木型、AAAAA/AAAAのコンビラストでも踵が緩いし(そもそもあの木型でパンプスってあったかしら?)、幸いそこまでパンプスにこだわりはない。
ヒールが欲しい時はビンテージの紐靴を履けばいい。


そんな私でも、履きたいなと思う時はあるわけです。
例えば、娘の晴れ舞台。3歳の七五三。

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神社までは車移動に加え、本殿に上がる時は紐靴より楽に脱げる。
色味もスーツが紺だから丁度良かった。
慣れないパンプスを履いた足も、朝から出かけて、昼までもってくれた。

ソールは何も貼らなかったが、滑らず歩く事ができた。
ソールにラバーを貼るか否かは好き好きだと思うが、この美しい底面にラバーを貼るのは躊躇われ、そのまま使用。

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どうせ履けば削れるので気分の問題だけど。

神社は砂利道だし…と、つま先とヒールはパレードグロスでいつもより念入りに保護しておいたが、これが本当に功を奏した。
土に砂利が敷いてあるだけの駐車場で、荷物を取り出す時にいきなりガクン!
細いヒールが地面に全部埋まってしまった。
思わず変な声が出たが、慣れない着物の娘と義両親の前で自分の靴をあからさまに気にする訳にもいかず…
傷になっていないかヒヤヒヤしたが大丈夫。
ワックスを塗っておいて本当に良かった…。私グッジョブ。

アルスノバのショートブーツ

ブログによると昨年秋、10月中頃になるか。
完成の連絡が来た数日後、会社帰りに受け取ってきた。

本当は足のむくみのない時間帯に行きたかったが、なかなかそうもいかない。
現実はいつも厳しい。

会社を出て歩きながら、今から行きますと電話。
靴をオーダーしないのなら特に予約の必要はないが、私は来店前になるべく電話するようにしている。
お一人で回しているお店なので先客がいたら待たないとならないし、ごく稀に臨時閉店している時もある。

着くと早速ベージュのストッキングに履き替えフィッティング。
前回よりもかなり楽に入り、片足1分で済んだ。
仮縫いより緩めた右は、少々緩め過ぎたように思うが、それでも前回オーダーの短靴よりも細いというから驚きである。
人間って凄い。

それにしても。
一度履くとかなり馴染むとの事だが、仮縫いの時にベージュのストッキングでいけば、少なくとも半分の時間で済んだのでは…と、遠い目をせずにはいられない。


短靴と同じように、店の周りを一周してくるように言われ、そろりそろり歩く。

とにかく踵が痛い!きつすぎる!
このブーツのカウンター、実は金属製ではなかろうか…。

日本橋の裏道、仕事を終えて楽しそうに飲み屋に向かうであろうサラリーマンズの横を、ロボットのように歩く珍妙な女が1人。
ギーカシャン。ギーカシャン。
短靴で歩いた時よりも辛く、戻ろうという考えもよぎったが、意地で一周して戻る。

戻ると、一周できたのだから、履いたままお帰りいただきます。
一周できる人は、大抵家まで履いて帰れるから。とな。
ええと、電話であらかじめ聞いた時は私の聞き間違いかと思ったのだが、どうやら違うらしい。
前は普通に箱に入れてお持ち帰りだったのに…。

履いてきた短靴は前回オーダーしたロングウイングだが、こちらは既に箱に詰められており、ご主人はニコニコ。
断れる雰囲気ではない。

私、頑張りました。
ちゃあんと電車に乗って、駅から家まで歩きました。
足の皮が剥けないで良かった。


そんなブーツがこちら。
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逆光で見辛い…。

ワイン色のカンガルー革、木型はS13で短靴と同じ。
13とは何か聞いてみたが、うちの記号です、と仰るのみで詳しくは分からず。

ソールやコバの仕様は短靴と同じ。
レザーソールのマッケイ。
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試着後履いたまま帰ってきたため、若干削れている。

ソールの模様やヒール部分の模様(これはブーツにはないが)について質問してみた。
これらは職人の遊び心であり、装飾以外には特に理由はなく、名前もないとの事。


爪先は磨耗しやすいので、「これ」はそのためだと思うが、
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「これ」も特に決まった名前はないらしい。
一度ロングウイングの「これ」が取れたので付け直して貰ったが、ご主人は確か、
金属つけておきますか?
と仰ったのだった。
ご主人はビンテージスチールなどという名前はご存じなかった。最近の流行でつけられた呼称なのだろうか。

前足部の縫い目はすっきり見えるように一重だが、
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踵やファスナーは二重に縫われている。
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YKKのファスナーは底まで下がる。
筒周りもぴったり作ってあるので、本当に下まで下げないと履けないし脱げない。
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内部のカウンター部分。
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もちろん金属製ではなく革である。

このブーツとの初めてのお出かけは、いきなり砂利道ありの公園というハードなデビューだったが、無事突破。
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フィットし過ぎて靴じゃないみたい。革の靴下みたい。革の靴下なんて履いたことないけれど。


ブーツができたのは勿論喜ばしい事なのだが、それ以上に嬉しかった事がある。
履いていったロングウイングを、良く手入れしてあると、褒めてくれた。
嬉しかったな…。
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Dickersonのケア終了

Dickersonのケアが一応決着ついた。
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購入当初は洗うかどうか迷っていた。
しかし、靴の内側に染み込んだ前オーナーの足型を見ていたら、これ洗わないと精神衛生上無理だわ…と思い始め、
いただいたコメントにも後押しされ、
もし色移りしても、割れるよりずっとましだと開き直る事ができた。

結果、普通に洗って普通にグリセリンでひたひたにして普通にオイル塗って普通にクリームで仕上げる事になった。

普通じゃないのはその回数。
乾燥していたし、florsheimのこれで懲りたので、

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グリセリン2回に、レーダーオイルと1909シュプリームを数えるのもうんざりする位塗り上げて、復活。
案外カビないものである。
色移りも、境目が少し滲んだ位で全然許容範囲。
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内側も革だからか触るとふにふにする。
でもまだおっかないけど。ここなんか屈曲部なのに()の端が切れてる気が…。

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紐はとても綺麗になった。
…というか綺麗になりすぎた。黄ばみが取れすぎて味がない笑。

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エマールで揉み洗い後、残った黒ずみを襟用の洗剤(ちなみに使ったのはトッププレケアエリそで用)ぬりぬりで、驚きの白さに。
本当は紐は新品をつけたいところだが、この手のタッセル付きは数が少なく、なかなか見つからず…。


古いクリームを落としてみたら、白いアッパーは黄身がかった色だった。
合うクリームが見つからず、取り敢えず白で仕上げたけれど…うーん、粉浮きしたおばあちゃん?

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綺麗にするの面倒くさい…
もういいわ、アンティーク仕上げという事で。
無色で手入れしていけば少しずつ取れてマシになっていくでしょう。多分。

混色以外ではブートブラックのその名もヴィンテージホワイトが近そう。
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(画像は公式HPから)
でもこの一足のために買うのももったいないし、匂いがきついと聞くので二の足を踏んでいる。


当時の広告を見ていると、白い靴は本来春夏物なのかな?と思う。

季節はもう秋本番。
だけど折角なので、穴から入る隙間風で足が凍えるまでは履いておきたい。

クリームがかった白も、茶色のトゥも、秋の服に馴染むので。

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